学生時代に「善の研究」を読んだが、全く歯が立たず、読解できなかった。

しかし、傘寿を越えていま、「善の研究」は座右の書である。次の短歌3首と簡潔な一節に、

私は西田幾多郎もまた妻子の死によって哲学を深めたことに、驚異と共感にうたれ、家族へ

深い愛情に感動を覚えた。

 

亡き竜太と共に生きる私にとって、「人間は。死を経ても生きる存在」の哲学に勇気と希望を

与えられた。

 

     妻も病み 子ら亦病みて 我が宿は 夏草のみぞ 生い繁りぬる 

     世をはなれ 人を忘れて 吾は唯 己か心の 奥底に住む

     人は人 吾は吾なり とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり

 

「人間の仕事は人情ということを離れて外に目的があるのではない。

 学問も事業も畢竟の目的は人情のためにする」